特許発明入門 特許とは? 「特許(patent、パテント)とは、法令の定める手続により、国が発明者または特許出願人に対し、特許権を付与する行政行為」と、ウィキペディアにはある。つまり、発明をして特許出願をした者に対して、その特許発明を開示する代わりに一定期間その特許発明の実施を独占できる権利を与えるというものである。特許は現在出願から20年の権利が与えられている。 特許取得までの流れ 特許をとるためには、「方式審査」と「実体審査」という2つの審査をクリアする必要がある。「方式審査」は、特許書類が揃っているか、記載不備はないか、といったことを審査する。不備があれば、通知が来て補正すれば問題ない。そして、3年以内に「審査請求」をする。これをしないと権利を放棄したものとみなされ特許は与えられない。「審査請求」をすると、審査官がその発明の「実体審査」に着手する。「実体審査」は、同じような発明はないか、発明として成立しているか、発明内容が十分に記載されているか、といったことを審査する。問題があれば、「拒絶理由通知」というものが通知される。約8割の特許出願に対して拒絶理由通知は来るので、驚くことはない。その内、半分は反論することによって特許を取得できる。 特許で億万長者になれるか 多分なれません。特許出願費用と審査をしてもらうお金を合わせて50万円くらいかかります。一方で、特許収入は、売れた製品の数パーセントです。例えば、500円のもの特許を取ったとして、3000個売れたとします。すると特許収入は、500円×3000個×5%=75000円となり、赤字です。 でも、特許出願はロマンです。夢を買うための出願は大いに結構だと思います。宝くじ感覚で特許出願する方も多くいらっしゃいます。 ただし、企業にお勤めの方は別です。年間3件の特許出願がノルマになっている例などもあります。企業の特許出願の良い所は、とれる特許出願が多いことです。一般の方の力では調べられない量の情報を企業内で共有しているので、常に最先端の特許出願がなされます。それは、天地がひっくり返るような発明ではありませんが、最先端に毛が生えたくらいの出願が多いですね。特許とはそういうものなのかもしれません。 エジソンの時代とは異なり、特許も細分化され、あまり面白みがないかもしれませんね。そんな中でも青色発光ダイオードの発明などすごいのも飛び出すのも事実です。あれも企業の出願ですから、一般の方の出願はさらに難しいでしょう。でも、特許で黒字化する方法がないわけではありません。以下、その方法を説明します。 特許調査に使う特許電子図書館 特許を出願する前によく調べることが必要です。 そのために独立行政法人の「特許電子図書館」で入念に調査します。 中でも「テキスト検索」が役に立つでしょう。ここで、「要約+請求の範囲」を選んで、キーワードを入力します。「and」と「or」があり、それぞれ、「すべてを含むもの」と「どれかを含むもの」を表しています。 例えば、病院で処方される薬を一週間ごとの曜日に分けてある薬包体の発明をしたとします。薬は大体一週間や二週間分処方されるので、一週間ごとに分けて曜日を記入すれば使いやすいし、のみ忘れを防げるというわけです。 そこで、「要約+請求の範囲」を選んで、「薬」and「曜日」でテキスト検索します。すると、79件ヒットします(2011年現在)。1000件以内であれば、「一覧表示」を選択し、一つずつ見ていきます。ご自分の特許に該当するものを探します。すると、「薬の包装体」という特許出願に以下の図画があります。見事にかぶっているというわけです。これで、無駄な特許出願を防げたというわけです。 更なる特許電子図書館の活用 上図の特許発明がその後どうなったかを調べることもできます。 画面の左上の方の「経過情報」をクリックします。すると、「査定種別(査定無し) 最終処分(未審査請求によるみなし取下) 最終処分日(平20.1.22)」と記載されています。この方は、「審査請求」をしないで、期限を迎えたことが分かります。もったいない気もしますが、ほかの関連特許があったのかもしれません。 さらに、この方のほかの特許も調べてみましょう! 「テキスト検索」で、「発明者」にこの方の名前を記入します。すると数件出てきます。同姓同名の方の場合もありますが、「便器」の特許はこの方の発明であることが分かります。 豆知識 l 特許は、公開する代わりに独占権を与えるというスタンスである。そこで、ずるい人は、検索キーワードでひっかからないキーワードで明細書を書いて公開を最小限にしている例もある。 l 出願から1年6ヶ月で公開される。 l 実用新案は、誰でも出願すれば権利が取れるが、実際権利を行使しようとするときには、その有用性が審査され、裁判で負けることも多々ある。特許の出願をお薦めします。 l 意匠というのはデザインに関して、商標というのはマークに対して権利を得るためのものである。 以下、特許出願に関する詳細です。 ご参考にしてください。
特許とは? 特許取得までの流れ 請求項 明細書 要約書 必要は発明の母 実験データが物語る 失敗からの発明 拒絶理由通知への対応 反論のコツ 補正の勘所 登録料を納付 売り込み 面白発明 優良発明 リンク集 ゲームやスマホの特許に特化
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