特許発明入門

 

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−拒絶されたら−


 

・ 拒絶理由通知への対応

 審査請求をしたものの内、8割くらいのものに対して拒絶理由通知は来ます。一番多い理由は、29条2項で、簡単に言うと「似たようなものがあるからダメ」ということです。「エンジンとハンドルと4つのタイヤのある自動車」の例では、エンジンというものとハンドルというものと4つのタイヤのあるものがそれぞれ存在した場合、それらを組み合わせただけじゃないか、と審査官は言ってくるのです。

 次に多いのは、36条関係。簡単に言うと記載不備です。

 

・ 反論のコツ

 29条2項に対しては、次のような反論の仕方があります。

@     構成要素を絞り込む:本願の発明が、「4つのタイヤに溝が彫ってある」場合には、その点を主張します。溝が彫ってあるものが存在しなければ、「エンジンとハンドルと4つの溝のあるタイヤのある自動車」という特許が成立します。

A     新たな要素の付加:本願は、さらに「サスペンションを有する」場合には、その例が存在しなければ、「エンジンとハンドルと4つのタイヤとサスペンションのある自動車」という特許が成立します。ここで注意したいのは、サスペンションに関することが、請求項か明細書か図面中に記載されている場合に限られることです。書いてなければ追加することはできません。

B     組み合わせの困難性:「審査官は簡単に組み合わせられると言っているが、組み合わせるのには、多大なる困難性がある」ということを主張することもできます。

 36条関係の記載不備は、根本的に記載量が足りない場合や説明が抜けている場合は、補正不可能です。逆に、簡単に直せるような方式的な拒絶内容の場合もあります。

 

・ 補正の勘所

 拒絶理由通知に対しては、通常、「意見書」と「補正書」を提出します。補正書では、上記の反論のコツで示したような部分を補正したものを提出します。意見書は、それを補足するような抗弁を記載して提出します。補正は、主に請求項1に対して行なうのが通例です。請求項1に明細書などで記載されていることを追加し、限定するのです。これを減縮補正といいます。

 

・ 参考資料

 トヨタ自動車の特許公報を参考までに提示します。こちら。この発明に対して通知された拒絶理由通知はこちら。それに対して提出した補正書意見書も参考に。この例でも、第29条第2項、第36条が拒絶理由として挙げられています。それに対して、補正書で減縮補正をして、意見書で意見を述べることにより、特許査定を勝ち取っています。補正は、引用文献に無い部分を書き加えて拒絶を回避しています。このように、拒絶理由通知が来ても慌てずに対応すれば、特許査定になることもあるので、諦めないで対応していきましょう。

 

 

 

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